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芥川賞作家 田中慎弥さんが語る最新作『地に這うものの記録』(家庭画報.com) - Yahoo!ニュース

小説を書くということ~作家が語る、書くこと、読むこと

小説が読まれない、小説が売れない。そんな話を耳にする昨今。けれど、よい小説には日常とは別の時空を立ち上げ、それを読む人の心をとらえる“何か”があることは、いつの時代も変わらない事実。SNSやブログを通じて、誰もが書くことができるこの時代、小説を書くとはどういうことなのか。小説家はどんなことを考えながら、小説を書き、読んでいるのか。作家の方々に、それぞれの小説作法を尋ねます。

第4回 田中慎弥さん 〔前編〕

「小説を書くとき、まず決めるのは長さという枠で、中身について考えるのはそれからです」と話す田中慎弥さん。

『宰相A』や泉鏡花文学賞を受賞した『ひよこ太陽』で、自身を連想させる作家を語り手とした田中さんだが、長編小説『地に這うものの記録』では、言葉を喋るネズミのポールを主人公に、ネズミと人間の和解をめぐるやりとりを、さまざまなエピソードを交えながら寓話的に描いている。

市議会議員やメディアの人間をたじろがせるほどの言語能力を持つポールが小説のなかで行う記者会見での彼らとのやりとり、そのくだりを読めば、当時、都知事への挑戦状などとも言われ、注目を集めた芥川賞受賞後の会見を思い出す人もいるかもしれない。

長編でもプロットは考えない、書きたいテーマや抜き差しならない何かがあるわけではないけれど、ここが自分の居場所とは思えない世界で生きていくために書かなきゃやっていられない……そんな話から、同時代の気になる作家まで、問いに対しては、いずれも主人公のポール同様、強い言葉が返ってきた。

ーー(引用)ーー
僕の名前はポール。せっかくパパがつけてくれたんだから他の名前で呼ばれるのなんてごめんだね。もっとごめんなのは仲間と一緒くたにネズミって呼ばれることだ。勿論誰が見たって正真正銘、混りっ気なしのクマネズミに間違いはないけれど、ネズミのくせに生意気だって? ポールって名前が? ネズミが名前を持っていることじたいが? でも僕と初めて喋ってくれた人間である浦田さんはそんなことは言わなかった。

田中慎弥『地に這うものの記録』より
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April 24, 2020 at 07:10AM
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