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【日曜に書く】「生きていてよかった」 論説委員・別府育郎 - 産経ニュース

 ◆北川貞二郎

 夏、東京五輪の開催を信じたい。待っている人がいる。前回の東京五輪は終戦からわずか19年後に開かれた。開会式翌朝のサンケイスポーツ1面の記事でその空気が読める。当時の運動部長、北川貞二郎が「学徒兵OB 五輪開会式をみる」「生きていてよかった」と題して書いたものだ。漢字等の表記を現在のものに改め全文を再掲する。要約も考えたが、削れない。

 ◆1964、東京

 確かに、そこを歩いているのは、世界のあらゆるところから集まった青年たちであった。紛れもなく、これはオリンピックの入場行進であった。そしてここは、疑う余地もなく日本の、神宮のフィールドである。オリンピックはとうとう日本にきた。

 整然とし、圧倒的な若さの列が流れていく。見事である。しかし場内は静かだった。拍手も歓声も爆発しない。なぜなのか-ある外国人記者がいった。「日本人はおとなしすぎる」

 だが、私は手が動かない。声も出ない。ただ息をのみ、目をこらしてこのごうごうたる白、黒、黄の人の流れを見つめるばかりである。昭和15年の東京大会中止から、24年の悲願が今、目の前で現実となったのを全身で確かめるのに精いっぱいである。日本人のほとんどが同じように、しびれてしまっていたのかもしれない。だから、おとなしく見えたのかもしれない。

 “この日”を迎えるまで、われわれ日本人は、どれだけの風雪を越えてきたことか-。そして、このフィールドにも、どんなに悲壮な歴史が秘められていることか-。

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March 15, 2020 at 08:00AM
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