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芥川賞作家 絲山秋子さんに聞く、小説との向き合い方と自選の書3冊(家庭画報.com) - Yahoo!ニュース

小説を書くということ~作家が語る、書くこと、読むこと

SNSやブログを通じて、誰もが書くことができるこの時代、小説を書くとはどういうことなのか。小説家はどんなことを考えながら、小説を書き、読んでいるのか。作家の方々に、それぞれの小説作法を尋ねます。

第2回 絲山秋子さん〔後編〕

2003年に文學界新人賞を受賞した『イッツ・オンリー・トーク』から、3期続けて芥川賞候補になった後、直木賞候補を経て、『沖で待つ』で芥川賞を受賞した絲山さん。『御社のチャラ男』はデビュー以来、コンスタントに作品を発表してきた絲山さんの、20冊目の小説作品となる。

これまでのインタビューでも、「活字になったら小説は読者のもの、小説家になろうと思っていたわけではなかった」と、絲山さんは口にしているけれど、小説を書くことと、日々どんなふうに向き合っているのだろう。

小説を書くことは、味噌やチーズを作ることと近い?!

――絲山さんはこれまでのインタビューでも、小説家になろうと思ったことはなかったと話していますが、何がご自身に小説を書かせているのでしょうか。

自分のことは、パソコンやスマホみたいな端末機器だと思っています。私はクラウドから受信したことを文字にしているだけで、自分が小説をつくっているわけではないんです。もちろん結果的に自分の色や癖は出ますけど、ラジオが電波を受信するように、長い時間かけてつくられた芸術とか大きな文化から、何かを受け取っている。

私にできるのはラジオの受信性能を上げるとか、きちんとメンテナンスをして壊れないようにするとか、そんな最低限のことです。自分の頭で考えたところで、大したものは出てきませんから。

――頭のなかでこねくりまわすよりも、受容できる状態に自分を置くことが重要ということでしょうか。

そうですね。器をこんなふうに(と、両手でお椀のかたちをつくって)持っていたら、雨が降ってきて水が溜まったとか。あと発酵なんかもそうですよね。無菌室で管理した材料ではなく、その場所にある常在菌が上手く作用することで、おいしい味噌やチーズができることに近いかもしれません。

それを上手くつかまえるために、書き出すまではダラダラしています。でも、締め切りまでずっとモヤモヤは持っているんですよ。たとえば月刊誌の連載だと、ひと月のうちにはそろそろやろうという波が来るので、今日はやぶさかではないぞ、というときに小説に手をつけます。掃除とか、苦手な家事と一緒ですね。

――『小松とうさちゃん』では、うさちゃんがネットゲームにはまっていましたね。

あの時期は、よくネットゲームをやっていました。
私の場合、いちばんいい状態で書くことに取りかからないと、完成しないんです。集中力はあるんですけど、夏休みの宿題などでも少しずつやるというのがどうも苦手で。料理もそうですけど、煮れば煮るほどおいしくなるわけでもなくて、ここだ、というときに強火にする、これ以上、強火にすると不味くなるから、今だ、火を消せというタイミングはあると思います。

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March 13, 2020 at 06:10AM
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