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【日曜に書く】論説委員・森田景史 「すねの傷」は小さな誇り - 産経ニュース

 筆者のすねには傷がある。

 小学3年の冬の日に、ちょっとした悪事で負ったものだから古傷の部類になる。

 当時は昭和50年代半ばで、同じ学年には、かなりの数の子供がいた。既存の校舎では全校児童が収まりきらず、わが3年生の代だけ、校庭に建つプレハブ教室で仮住まいの1年を送った記憶がある。

 安普請ゆえ夏は蒸し、冬は底冷えする。ことに真冬の寒さといったらなかった。休憩時間に教室の中で膝を抱くような子はほとんどいない。北風の中を走り回り、次の1時限をしのぐための熱を蓄える。子供なりに編み出した自衛の策だ。

◆北風の中を走った記憶

 クラスの俊足8人が二手に分かれるリレー競争は休憩時間の花形で、筆者はメンバーの1人だった。プレハブの周りを走るレースは、毎度のように競った展開になる。コーナーに差し掛かり、並走相手と建物の間に体をねじ込み、内側を占める「ずる」をよくやった。プレハブの角で、右のすねをザクッと切ったのはそのときだ。

 「ずる」と書いた。正しくは「テクニック」だろう。誰から教わったわけでもなく、コーナーでの競り合いを重ねれば子供は自然に体の使い方を覚える。あの時代は、そのような経験と時間をともにする仲間に不足した覚えがない。

 スポーツ庁が去る23日、小学5年と中学2年を対象に実施した全国体力テストの結果を公表した。小5男子の合計点は、平成20年度の調査開始以来、最低となった。50メートル走や持久走といった「走る力」の低下が著しいという。

 1日当たり1時間以上遊ぶ子供の割合が減り、いわゆる「スクリーンタイム」が増えているのが原因ではないか、と各メディアは報じていた。ゲームや動画など、テレビやスマートフォンの画面をのぞく時間が増えている、と。

◆子供の体力低下

 SNSの普及に伴い、手紙の書き方を知らない子供が増えているのと構図は変わらない。そこに根があるとすれば、社会の形をつくりかえた大人の咎(とが)というべきだろう。子供たちを責める気にはなれない。

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December 29, 2019 at 05:21AM
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