AMDは5月10日(米国東部時間)、デスクトップPC向け新型GPU「Radeon RX 6650 XT」「Radeon RX 6750 XT」「Radeon RX 6950 XT」を発表した。
これらのGPUを搭載するグラフィックスカードは、日本では5月13日11時からパートナー企業を通して発売される。米国におけるグラフィックスカードの想定販売価格は、Radeon RX 6650 XTが399ドル(約5万2000円)から、Radeon RX 6750 XTが549ドル(約7万1400円)から、Radeon RX 6950 XTが1099ドル(約14万3000円)からとなる。日本における想定販売価格は後述する。
新GPUの概要
今回発表された3つのGPUは、既存のデスクトップPC向け「Radeon RX 6000シリーズ」の“リファインモデル”という位置付けで、主に「ゲームクロック(ゲームプレイ中の標準稼働クロック)の引き上げ」と「グラフィックスメモリの高速化」によって基本性能を改善したものとなる。
Radeon RX 6650 XT
Radeon RX 6650 XTは「Radeon RX 6600」と「Radeon RX 6700 XT」の中間スペックを狙った製品で、フルHD(1080p/1920×1080ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。
- 演算ユニット(CU)/レイアクセラレーター(RA):32基
- ストリームプロセッサ(SP):2048基
- ゲームクロック:2410MHz
- ブーストクロック:最大2635MHz
- Infinity Cache(L3キャッシュ):32MB
- グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格)
- メモリインタフェース:128bit
- 接続バス:PCI Express 4.0 x8
- 消費電力:180W(推奨電源容量は500W)
- GPU補助電源:8ピン×1
AMDはRadeon RX 6650 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3060」を設定している。同一システム(※1)で11個のゲームタイトルをプレイすると、そのいずれでも平均フレームレートにおいて“高速”になるという。この傾向は超解像技術(※2)を使って900p(1600×900ピクセル)の映像をアップスケールした場合も同様で、10のゲームタイトルで平均フレームレートで勝利したそうだ。
(※1)Resizable BAR/Smart Access Memoryを有効化したRyzen 7 5800X3Dを搭載するPC(以下同)
(※2)GeForceは「NVIDIA Image Scaling and Sharpening」、Radeonは「Radeon Super Resolution」(以下同)
Radeon RX 6750 XT
Radeon RX 6750 XTはRadeon RX 6700 XTと「Radeon RX 6800」の中間スペックを狙った製品で、WQHD(1440p/2560×1440ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。
- CU/RA:40基
- SP:2560基
- ゲームクロック:2495MHz
- ブーストクロック:最大2600MHz
- Infinity Cache:96MB
- グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6規格)
- メモリインタフェース:192bit
- 接続バス:PCI Express 4.0 x16
- 消費電力:250W(推奨電源容量は650W)
- GPU補助電源:8ピン×1+6ピン×1
AMDはRadeon RX 6750 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3070」を設定している。同一システムで11個のゲームタイトルをプレイすると、そのうち6つで平均フレームレートにおいて“高速”になるという。それ以外のタイトルも僅差となっており、コストパフォーマンスの良さをアピールしている。超解像技術を使ってフルHDの映像をアップスケールした場合は、11タイトルのうち8つで平均フレームレートで勝利したそうだ。
Radeon RX 6950 XT
Radeon RX 6950 XTは「Radeon RX 6900 XT」の上位モデルとして登場する。Radeon RX 6000シリーズの新たなフラグシップモデルで、4K(2160p/3840×2160ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。
- CU/RA:80基
- SP:5120基
- ゲームクロック:2100MHz
- ブーストクロック:最大2310MHz
- Infinity Cache:128MB
- グラフィックスメモリ:16GB(GDDR6規格)
- メモリインタフェース:256bit
- 接続バス:PCI Express 4.0 x16
- 消費電力:335W(推奨電源容量は800W)
- GPU補助電源:8ピン×2
AMDはRadeon RX 6950 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3090」や「GeForce RTX 3090 Ti」を設定している。同一システムで9つのゲームタイトルをプレイすると、そのうち8つで平均フレームレートにおいてGeForce RTX 3090よりも“高速”になるという。2タイトルはGeForce RTX 3090 Tiをも上回ったようだ。
超解像技術を使って11タイトルのWQHD映像をアップスケールしてGeForce RTX 3090と比べた場合は、9タイトルで平均フレームレートで勝利したそうだ。なお、GeForce RTX 3090 Tiとの比較は掲載されていなかった。
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AMD Softwareの最適化でパフォーマンスを向上
3月17日(米国東部時間)、Radeon Softwareが「AMD Software」としてリブランドされた。
AMDではAMD Softwareの改善を継続しており、ゲームによってはドライバーを更新するだけで平均フレームレートが最大で10%程度改善するという。最新ドライバーではノートPC向けのRyzen 6000シリーズの一部において「Radeon Super Resolution(RSR)」を利用できるようになるそうだ。
FidelityFX Super Resolution 2.0もローンチ
ゲーム側に組み込む汎用(はんよう)超解像技術「AMD FidelityFX Super Resolution(FSR)」の最新バージョン「FSR 2.0」を実装したゲームがいよいよ登場する。
第1弾のゲームは「DEATHLOOP」で、5月12日(米国東部時間)に公開される予定のアップデートを適用することで対応する。それに続く形で、以下のゲームにもアップデートでFSR 2.0が実装される予定だ。
- Asterigos
- Delysium
- EVE Online
- Farming Simulator 22
- FORSPOKEN
- Grounded
- Microsoft Flight Simulator
- NiShuiHan
- Perfect World Remake
- Swordsman Remake
- Unknown 9:Awakening
Ryzenプロセッサと組み合わせると“強い”
AMDは最近、RyzenプロセッサとRadeonの組み合わせの優位性をアピールすることが多い。Radeon SoftwareをAMD Softwareにリブランドしたのは、その一環である。
AMDは「Ryzen 7 5800X3DにRadeon RX 6950 XTを組み合わせたシステム」と「Core i9-12900KとGeForce RTX 3090を組み合わせたシステム」を比較して、Resizable BAR/Smart Access Memory(SAM)を使った場合と使わない場合のパフォーマンス差を紹介した。簡単にいうと、AMDのCPUとGPUの組み合わせは、IntelのCPUとNVIDIAのGPUの組み合わせよりもパフォーマンスアップの効果が大きいということである。
ゲームを快適にプレイするなら、CPUもGPUもAMDがいい……と言いたい所だが、ゲームプログラムの最適化状況によっては、パフォーマンスアップの効果が“小さい”はずのIntel CPUとNVIDIA GPUの組み合わせの方がフレームレートが上回ることもある。結局の所、ゲームの快適さは「最適化勝負」になりつつあるような気がする。
日本でのグラフィックスカード発売情報
冒頭で述べた通り、日本では今回発表された3つのGPUを搭載するグラフィックスカードが5月13日11時から順次発売される。主な製品と想定販売価格(税込み)は以下の通りだ。
- Radeon RX 6650 XT
- Challenger D 8GB OC(ASRock):6万9850円
- PHANTOM GAMING D 8GB OC(同):7万2380円
- MECH 2X 8G OC(MSI):7万180円
- GAMING X 8G(同):7万3150円
- Hellhound(PowerColor):6万9800円(数量限定でSakuraモデルあり)
- Red Devil(同):7万4800円
- Radeon RX 6750 XT
- PHANTOM GAMING D 12GB OC(ASRock):10万7800円
- Challenger Pro 12GB OC(同):価格未定(発売日も未定)
- MECH 2X 12G OC(MSI):10万6150円
- GAMING X TRIO 12G(同):10万9780円
- Red Devil(PowerColor):9万6800円
- Radeon RX 6950 XT
- OC FORMULA 16GB(ASRock):21万9890円
- Red Devil(PowerColor):18万5900円
- GAMING X TRIO 16G(MSI):21万7800円
- Liquid Devil(同):20万6800円(水冷タイプ)
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