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太陽系のそばをただよう「浮遊ブラックホール」 - GIGAZINE(ギガジン)

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by UC Berkeley

巨大な天体が崩壊して形成されると考えられているブラックホールは、天の川銀河全体に何億個も存在しているはずですが、ブラックホールは光を発しないため、孤立した位置に存在していると観測することができません。複数の研究チームは重力マイクロレンズ法と呼ばれる観測法により、直接観測ができない単独で存在する「浮遊ブラックホール(free-floating black hole)」を、地球から数千光年離れた天の川銀河内で発見した可能性を報告しています。

[2201.13296] An Isolated Stellar-Mass Black Hole Detected Through Astrometric Microlensing
https://arxiv.org/abs/2201.13296

[2202.01903] An isolated mass gap black hole or neutron star detected with astrometric microlensing
https://arxiv.org/abs/2202.01903

Astronomers may have detected a ‘dark’ free-floating black hole | Berkeley News
https://news.berkeley.edu/2022/06/10/astronomers-may-have-detected-a-dark-free-floating-black-hole/

A celestial loner might be the first known rogue black hole | Science News
https://www.sciencenews.org/article/black-hole-rogue-wandering-mass-sun-gravity-neutron-star

通常、ブラックホールの観測は、周囲の物質が吸い込まれる時に発するX線を検出することで観測できますが、周囲に星などが無い「浮遊ブラックホール」は、観測するための光もブラックホールの強い重力にのまれてしまうため観測が難しくなっています。大学院生のケーシー・ラム氏とカリフォルニア大学バークレー校の天文学准教授であるジェシカ・ルー氏が率いるチームは、「天体の強い重力場によって光が歪んでいるときに、より遠くの星が明るくなる」現象を用いた重力マイクロレンズ法を用いて「浮遊ブラックホール」の観測を行いました。


重力マイクロレンズ法による観察では、宇宙望遠鏡により10年間にわたって特定の恒星を観察し続け、その「見かけ上の位置」が「ブラックホールがないと仮定した場合に見えるはずの位置」よりごく僅かにズレていることから、「地球と恒星の間に直接観測できない大質量天体がある」と発見することができます。

「重力レンズ」を利用して5150光年先の「はぐれブラックホール」の観測に成功 - GIGAZINE


バークレー校が率いる国際共同研究チームは、「重力マイクロレンズ法」により、太陽系が位置する天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールの最初の観測に成功しました。天の川銀河で周りの天体から孤立した「浮遊ブラックホール」が発見されるのは初で、今後さらなる数のブラックホールを発見して、天の川銀河内にある大まかなブラックホールの数を特定することが望まれています。

Berkeley scientists find a way to "see" invisible black holes - YouTube

ボルチモアの宇宙望遠鏡科学研究所の研究チームも、同じ重力マイクロレンズ法による観測データから同じ浮遊ブラックホールを発見しています。しかしながら、宇宙望遠鏡科学研究所の天文学者であるカイラシュ・C・サフ氏の研究チームは、ここで発見した天体は「太陽のおよそ7倍の大きさがあるブラックホール」と結論付けている一方で、バークレー校が率いる国際共同研究チームの研究者たちは、観測したものの推定質量を太陽の2倍から4倍であることから「ブラックホールではなく中性子星の可能性もある」ことを警告しています。ブラックホールであっても中性子星であっても、銀河をさまよう他の星と対になっていない「孤独な恒星の暗い残骸」としては最初に発見されたものになります。

天の川銀河に存在する「恒星の残骸」の数を把握できると、星がどのように進化しどのように死ぬかを理解するために役立ち、ブラックホールのうちどれが原始のものなのかを明らかにできます。ルー氏は「今回初めて、重力マイクロレンズ法で浮遊ブラックホールまたは中性子星を発見できました。重力マイクロレンズ法によってのみ見ることができるこれらの暗いオブジェクトの研究に、新しい道を開いたと思います」と研究の意義について強調しています。

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